前回は、相対参照をご紹介しました。
相対参照は、計算に使いたいセルと、答えを出したいセルがすべて同じだけ上下左右に移動する場合に使える計算方法です。
今回は、計算に使うセルを変更したくない場合の計算方法(絶対参照)をご紹介します。
問題例
では、次のような給与計算はどのようにするでしょうか?
まずは、各週の週稼働時間を計算し、その時間と時給から週給を求め、最後に週給の合計を計算すれば、1か月の給与がわかります。
では実際に計算をしてみましょう。
下のボタンからファイルをダウンロードして使ってくださいね。
最初に1週目の週稼働時間を出してみましょう。
- Step1G2セルを選択する。
- Step2ホームタブ>オートSUM∑をクリックする。
- Step3計算対象がB4~F4であることを確認し、Enterキーを押す。
対象確認
答え
続いて、2~4週目の稼働時間を出してみましょう。
- Step1G4セルを選択する。
- Step2G4セルの右下にマウスを移動し、マウスのマークを+にする。
- Step3ダブルクリックして、式をコピーする。
- Step4オートフィルオプションをクリックする。
- Step5書式なしコピー(フィル)をクリックする。
次に、各週の給与を出してみましょう。
- Step1H4セルを選択する。
- Step2イコール=を入力する。=イコール=の入力は『Shift』+『ほ』
- Step3G4セルをクリックする。
- Step4アスタリスク*を入力する。=B2*
- Step5H1セルをクリックする。
- Step6Enterキーを押す。
ここまでは、今までと同じやり方ですよね。
では、ここで、式をコピーして2~4週目の週給を出してみたいと思います。
- Step1H4セルを選択する。
- Step2H4セルの右下にマウスを移動し、マウスのマークを+にする。
- Step3マウスをクリックしたままH7セルまで下に引っ張る。
どうなりましたか?
2週目は『¥0』、3週目にいたっては、『#VALUE!』という文字が出ています。
式がどうなっているか確認してみましょう。
H5セルをダブルクリックしてみてください。
式は次のようになっていますね。
週の稼働時間×時給の計算をしたいのに、
H2の空白セルを使って計算してしまっています。
4行目では時給(1行目)を使って計算していましたが、
計算式をコピーして1つ下の行に入れた時、計算に使うセルも1行下に移動してしまいました。
これでは、正しい計算はできないですよね。
つまり、計算式をコピーして1つ下の行に入れても、計算に使うセルの位置が変わらないようにする必要があることがわかったのではないでしょうか?
では、計算式を直していきましょう。
まずは、『Ctrl』+『Z』で元に戻しておきましょう。
- Step1H4セルを選択する。
- Step2『H1』の文字の前、真ん中、後ろのどこでもいいのでクリックする。
- Step3F4キーを押す。
- Step4『$H$1』になったことを確認し、Enterキーを押す。
- Step5H4セルを選択する。
- Step6H4セルの右下にマウスを移動し、マウスのマークを+にする。
- Step7マウスをクリックしたままH7セルまで下に引っ張る。
- Step8オートフィルオプションをクリックする。
- Step9書式なしコピー(フィル)をクリックする。
では、2週目の式を確認してみましょう。
H5のセルをダブルクリックしてみてください。
下のように、時給が書かれたH1セルを使って正しく計算ができていますね。
このように、計算式をコピーしても、使いたいセルを移動したくない場合は、
F4(Fn+F4)キーを押すことで、セルを固定することができます。
では、最後に合計を出しておきましょう。
- Step1H4~H8セルを選択する。
- Step2ホームタブ>オートSUM∑をクリックする。
- Step3H8セルに合計が入る。
意味を確認しよう
では、ファイルの「確認」シートを使って確認していきましょう。
まだダウンロードされていない方は以下からどうぞ✨
相対参照
左側のセルに例があります。
これを、①相対参照でコピーしてみましょう。
- Step1G2セルを選択する。
- Step2イコール=を入力する。=イコール=の入力は『Shift』+『ほ』
- Step3A2セルをクリックし、Enterキーを押す。
- Step4G2セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK2セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
- Step5G2~K2セルを選択する。
- Step6K2セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK4セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
相対参照では、例とまったく同じとなりました。
絶対参照
次に②絶対参照でコピーしてみましょう。
- Step1G8セルを選択する。
- Step2イコール=を入力する。=イコール=の入力は『Shift』+『ほ』
- Step3A2セルをクリックした後、F4(Fn+F4)キーを1回押して、絶対参照(=$A$2)にする。
- Step4Enterキーを押す。
- Step5G8セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK8セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
- Step6G8~K8セルを選択する。
- Step7K8セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK10セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
すべて「1」になりましたね。
$マークは後ろに書かれた場所を固定するという意味であることがわかりましたね✨
複合参照(行固定)
次に複合参照(行固定)でコピーしてみましょう。
複合参照というのは、列か行どちらかを固定している状態のことです。
今回は行を固定してみましょう。
- Step1G14セルを選択する。
- Step2イコール=を入力する。=イコール=の入力は『Shift』+『ほ』
- Step3A2セルをクリックした後、F4(Fn+F4)キーを2回押して、複合参照(行固定)(=A$2)にする。
- Step4Enterキーを押す。
- Step5G14セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK14セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
- Step6G14~K14セルを選択する。
- Step7K14セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK16セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
1行目は例と同じですが、2~3行目は1行目と同じになりましたね。
だから、Aの前に$がなくて、2の前に$があるんニャね!
複合参照(列固定)
行固定があったということは、列固定もありますよね。
複合参照(列固定)でコピーしてみましょう。
- Step1G20セルを選択する。
- Step2イコール=を入力する。=イコール=の入力は『Shift』+『ほ』
- Step3A2セルをクリックした後、F4(Fn+F4)キーを3回押して、複合参照(列固定)(=$A2)にする。
- Step4Enterキーを押す。
- Step5G20セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK20セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
- Step6G20~K20セルを選択する。
- Step7K20セルの右下にマウスを移動させ、+マークになったところで、クリックしたままK22セルまでマウスを移動させ、式をコピーする。
1列目は例と同じですが、2~5列目は1列目と同じになりましたね。
だから、Aの前に$があってて、2の前に$がないんニャね!
まとめ
式をコピーするとき、固定しなくていいのか、固定するならどこを固定したいのかによって、
F4を何回押すかが決まります。
F4を押す回数 | 参照方法 |
---|---|
0回 | 相対参照(固定なし) |
1回 | 絶対参照(行列とも固定) |
2回 | 複合参照(行のみ固定) |
3回 | 複合参照(列のみ固定) |
4回 | 相対参照(固定なし) |
4回押すと、最初に戻ります。
押したときに$マークがどこにあるのかをよく確認してからコピーしてくださいね✨